妊娠中毒症の症状と予防について知っておきたいこと
2015年8月23日日曜日
妊娠中毒症って知ってます?
妊娠している・していないに関わらず、単語自体を知っている人はとても多いと思います。この単語を聞いた時、「怖い」「とても大変な病気」というイメージがありますが実際「妊娠中毒症」とは、どういう症状を指すのか。ちょこっと説明しようと思います。
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妊娠中毒症と判断される要素は
「高血圧(上が140以上、もしくは下が90を超えた場合)」「尿タンパク」
「むくみ」
上記の症状のうち、2つ以上の症状が揃うか、状態がかなり酷くなっているものが1つでもある場合を「妊娠中毒症」といいます。なので、「高血圧・尿たんぱく・むくみ」が3つとも揃わなくてもママさんの状態によって「中毒症」と診断される事があります。
妊娠中毒症の症状として「むくみ」に目が行きがちですが、妊婦さんの約3割に「むくみ」の症状が見られるので、「むくみ」が出たからといってすぐに「中毒症」と判断するのは間違いだと言われているそうです。
また、「妊娠中毒症」という言葉は現在「妊娠高血圧症」と改められ、判断項目であった「むくみ」は除外されているそうです。事実、血圧・尿タンパクに異常がなく、一晩寝れば治る程度の「むくみ」なら心配はないとされています。
しかし、判断項目から除外された事を危険に思う専門家も多く、妊娠中毒症の原因に、未だ不明な点が多くてはっきりしていないので「判断項目から除外されているから〜」と安易に思うのはこれもこれで危険かもしれませんね。
症状が出やすい時期は、意外にも妊娠8ヶ月目以降の後期。約1割程度の妊婦さんに発症します。昔は「後期のつわり」と考えられていたそうですが、最近は関係ない事もわかってきています。また、妊娠中期などの早い時期に発症すると悪化する傾向が強いそうです。
では、「妊娠中毒症」に掛かると何が怖いのか。血管が収縮して、血液の循環が悪くなるのでお腹の赤ちゃんに充分な栄養が送れなくなります。
結果、・赤ちゃんの成長に影響が出る(低出生体重児・未熟児等)
・早産、死産、胎盤の早期剥離
・妊娠中・分娩時に酸素が足りなくなる、
「胎児仮死」の状態になる場合も。
そして中毒症にかかったママ自身も
・目がチカチカする、頭痛・めまい
・胃痛・吐き気などの症状。
・重症になると、脳出血・腎障害
・肺水腫(肺胞内に液体がたまり、強い呼吸困難・タンが多量に出る)
・けいれん発作(全身がけいれんし、意識不明になる)
などの症状が見られ、母子共に非常に危険な状態になる事もあります。
妊娠中毒症は、分娩後に軽くなる・おさまると言われていますが、重症の場合は後遺症が残る事もあったり、また稀に妊娠中には症状がなくても分娩後に「高血圧」や「尿たんぱく」などの症状がみられる事があるそうです。
これだけ怖い病気なのに、原因は未だはっきりと分かっていません。しかし、「中毒症にかかりやすい体質」というものは存在しています。
・家系的に高血圧・肝臓病・糖尿病の人が多い
(そうでない人に比べて中毒症発症率が2、3倍増加)
・高年齢、また低年齢での妊娠
(35歳以上の妊婦さんは、20代に比べて発症率が1.5倍〜2倍増加。
15歳以下の妊婦さんも統計的になりやすい傾向にあるそうです)
・妊娠してない状態で肥満傾向にある人
(やせ過ぎの人も、ストレスや疲労を溜め込む傾向にあるため
発症しやすいそうです。)
・もとから高血圧症・肝臓病・糖尿病・甲状腺疾患の人。
・経産婦より初産婦の方が発症しやすい。
・多胎妊娠
(体にかかる負担が他の人より大きい為、
病気を引き起こしやすくります)
・過去に妊娠中毒症だった人
体質だけではなく、
・立ち仕事が多いなどの過激な勤務・ストレス・睡眠不足
・甘いものが好きなど、栄養に偏りがある人
など、妊婦を取り巻く環境も関係してくる場合があります。疲労やストレスは、尿を作る腎臓の機能を低下させる為に「尿タンパク」が出やすくなるのです。
お腹の赤ちゃんはもちろんの事、ママ自身も危険にさらされる「妊娠中毒症」これらは食事の取り方や、安静で治療する事が出来ます。
なので日頃からよく言われている・塩分を控える(1日8g以下、重症の場合は1日5g以下)
・低カロリーの食事を心がける
・疲労感を感じたら、すぐに安静になる
は、とても大切な事なのです。
腎臓や心臓の負担を軽くし、血流を良くする事が目的ですが、一番大切な事は「妊娠中毒症にかからない事」その為に日頃から塩分やカロリーに気を使った生活が大切ですし、適度な運動も同じくらい大切です。
また、万が一「妊娠中毒症」と診断された場合は、悪化しないように努力して産院の先生の指導・指示をよく聞きましょうね。
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