妊娠して赤ちゃんがお腹に宿るってステキなこと。流産の心配や胎児の変化、そして妊娠初期の様々な症状は、やがてママとなる自分を人として成長させてくれる気がします。このブログの主な内容は、30代主婦による妊娠初期の症状です。――旦那は5歳年下の数学教師。結婚してからの嫁のグチ、婚前恋愛、マタニティライフなどについて、ゆるーく書いています。
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よりを戻すことは二人の関係が元に戻ることではないという話

2015年6月18日木曜日

あたしって言う女は、想像以上に悪女だったのかもしれない。
その理由は、当初A君による二股によって〝そんな男もうやめておけ〟と誰もが口をそろえてあたしの味方になってくれそうな立場だったのに、時間を追うごとにじつは自分こそが二人の男性を見比べて打算を働かせていたのかもしれないから。

<この記事は前回の〝忘れられない彼との話〟の続きです>

B君とは付かず離れずの距離感が続いていた。
いったん関係が解消したかに見えたA君には、ひょんなことから再び恋心が揺れている。
あんなことがあって、A君とよりを戻そうと思えば簡単で、しかもA君は地元の彼女にフラれちゃったわけだから、今度こそA君とはちゃんとした恋人同士になれるんじゃないか?
そう考えれば、B君の存在を忘れてなにやら期待感さえするあたしだったのだ。
それじゃあ、いっそのことB君に正式に告白して、もしフラれたならA君にもとに戻ればいいんだ。
告白が成功すれば万歳だし、B君にふられてもA君という滑り止めが居るんだから…なんてとんでもない打算的な考え。やれやれ、これじゃあたしこそがどっち付かずの悪女じゃん……。

でも、当時のあたしは25歳。
やっぱり精神的に成熟してなかったし、単純に遠い雪国に出向してひとり暮らしだったあたしは寂しかった。そして彼氏が欲しかった。
今だったら、ひとりで過ごす時間を持っていろんなことを考えておくことが正解だって思えるんだけどね。
つまりこんなあたしは恋愛下手だったんだろうなあ。

さて、A君とよりを戻す話を宙に浮かせたまんまでB君に気持ちを告白する作戦をいざ決行しようと企んだあたし。
週末、久々に外食することとなったのです!
その日B君と待ち合わせ後、喫茶店に行くとか食事をするとか〝前置き〟は極力すっ飛ばしてB君が住んでるアパートへと。
彼のアパートは超キレイでオシャレでした。
まさか、用意万端だったのでは…なんつって。いえ、前からメールで、「家を模様替えして和風にしたんだ」とうれしそうに報告されてたんですけどね。
部屋は8畳くらいのワンルームなんだけど、大きなちょうちんで部屋の電球が覆われてて、床にも和風のラグマット、そしてこたつが置いてあって…
なんか雰囲気良かったですねー。

買ってきたお菓子と、またまた梅酒のボトルやワインを空け、飲んで喋ってだいぶんテンションもあがってきました。
そして、あたしの告白が始まったのです。まあ、あまり引っ張るのもなんだしね。
「じつはさ、前にA君のこと相談してたよね。A君とはかくかくしかじかで(彼女とのことやその他諸々)音信不通にしてたんだけど、こないだ、いろいろ考えた末、あたしと付き合いたいって言ってきたんだよね」
「………」
「でね、あたしも自分の気持ちを考えたんだけどね、あたしが本当に好きなのはB君だって気付いたから……」

………

もともとメル友始まりだったB君。

あたしが二股かけられて悩んでいる時期の単なる相談相手でもあったのだ。

そういう理由で、こっちの抱えた恋愛事情はある程度把握しているし、なんとなく一気に関係が進展しない原因もそこにあった。
けれど、この告白でB君はすっかり下を向いてしまったのだった。
そして、言葉少なめにいろいろと思いを話してくれた。
B君自身の前の彼女のことがまだ忘れられないということや仕事の関係で本格的な恋愛をしている時間もないようなことを細切れで話していたことを覚えている。
うーん、なんだか告白は失敗モードであるような気がするなあ……。
でも、はっきりとNOとは言わぬB君。
感情表現は人それぞれだしなあ、だからと言ってYesなのかNOなのかはっきり確定してくれだなんて女が聞くもんじゃないだろうし……


それ以降、B君からの連絡はピタッと止まってしまった。
今思うと、友達としてはOKだけど恋人としてはあたしのこと見れなかったんだろうなぁ……。

しばらくの間、やさぐれていたあたし。
自分の恋下手さに嫌気がさしてそれまでのことばかりを後悔している自分。
それから一月後。
スマホとPCからB君の携帯番号とメアドを削除し、A君とよりを戻すことにしました。
二股をかけていたA君のことを〝ろくでないし〟と非難していた自分なのに、形は違えどやってることは同じだな……。


でもね、よりを戻すっていうのは〝元に戻る〟ってことじゃないんですよね。
今度は〝好きに努力が必要〟になっちゃったような、そんな感覚を体験するんですよ。
二人で旅行に行ったり、誕生日も素敵なフレンチに連れて行ってもらうんだけど、同時に、A君の自己中心的なキャラやドケチなところが鼻についてくるようになりました。
ドライブいったらガソリン代請求してくるし、デート代は10円単位まで割り勘だし、ほっとんど毎日夕食は、あたしのアパートで食べて行くのに土日のランチも割り勘。
いやだいやだ、いやだ、こんな男!
ちゃんと恋愛すれば、見えてなかったものが見えてくるんですね、感情だけで色恋沙汰に走ってたあたしは本当に浅はかで子供だったなあ……。


A君との交際は、言ってみればそんなものだったかもしれない。誰だって、好きになって交際が始まって時間が過ぎればいいとこ悪いとこいろんな面が見えてくるんだろうし、そういうすれ違いを克服したりぶつかり合ったりしながら恋は成長していくんだろうな。
それが普通なのね。


時は流れます……


いろんなことがあったけど、あたしなりに恋愛体験から学んだことは多かった。
結局、A君とは考え方や生き方について自分とはマッチしない部分が多すぎた。そんなことを考え始めたあたしは彼との別れを決意したのでした。
前回のように中途半端な別れ方ではなくて、きっぱりと別れを告げたあたしに対して、A君は泣き狂ったように受け入れず、相当ストーカーまがいのことだってされましたよ。
毎日の電話や、いきなりアパートに来られたり。でも、あたしの決心は固く、A君も諦めたのでした。

さらに半年が過ぎた頃――
A君からは、先輩の結婚式で出会った新婦側の友人の看護婦さんと付き合い始めたと得意げなメールがきました。
はいはい…だから?
フラれた相手にそういうメール送りつけることで納得するなんてヤワな男だねえ……なんて思いつつ、じゃあなんでメアドを変えるとか変えれないなら受信拒否の設定にしないのか、それとも未開封で削除しないのか…結局、気にはなるんですよねえ。
まー、いろいろあった相手だから仕方のないか…

するとね、世間って狭いんですよね。
デパートでひとりうろついていたある日のこと。
ぼんやりとエスカレーターを下ってました。
フッと……時間差で何かを感じて上りのエスカレーターを振り返ったんです。
なんとそこには行き違いながらあたしを眺めているB君の姿が――。

帰宅後、メールが届きました。
B君からでした。
「あんた、今日、○○デパートにいただろ?相変わらずまぬけな顔で」
怒りがこみ上げてくるような全身の力が抜けていくような複雑な気持ちです。
これを受け取ったまんまにっしとくのは、なんだか女の意地を封印するような気にもなったのであたしも返信したんです。
「いろいろあったけど、最近は4つ下の彼と知り合って幸せになれそうかも。B君は彼女できた?」
翌日、返信がきてました。一字一句、「その部分」だけは忘れることができません。
うんたらかんたら書いてあったあとに、
「うん、最近、彼女できたよ。2つ年下で料理上手のかわいい子」
唖然呆然で、正直、とっさに抱いた感情は〝敗北感〟でしたねえ。
しばらくPCのまえで固まったり寝転んだり、無駄にブリッジしてみたり、うだうだしてましたが、自分を奮い立たせておめでとう!メールを打ちました。はい。
〝最近、彼女できたよ。2つ年下で料理上手のかわいい子〟
今でも忘れられない言葉です。

時間の流れるのは早いもので、出会って別れて…それぞれの〝その後〟にはどんどん時間が過ぎていくものですね。
ある日、友達から聞いた話とはA君の結婚話。
あたしと別れた後、すぐに付き合い出した看護婦さんと結婚するというのです。

そうかそうか…おめでとー
それがあたしの自然な気持ちだったんだけどね、いちおう、おめでとうメール送っておこうかなんて考えたあたしは…
「結婚するってきいたよーぉ!内緒にしてたの?おめでとう!幸せになってね」
って祝福したんですよね。
すると、とんでもない返信が来た!
「俺はお前みたいな最低女に出あったことはない。俺はお前より絶対に先に結婚してやるって思ってた。だからお前には内緒にしていた。結婚した後にバラしたかった。お前みたいな女をギャフンと言わせたかったんだ。お前みたいに男をバカにして見下すような女は幸せになれない。」
唖然……

あんたが先に結婚したからって、あたしの人生には関係ない話だし、まあ、A君にしたら長年付き合った彼女に二股かけられフラれたあとに、自分のことを好きでいてくれたあたし乗り換えたら、結局また愛想つかされてフラれてしまった。
ストーカーまがいの後追いもしたけれど、あたしに相手にされずに相当プライド傷ついてたみたいです。


出向先の雪国での恋愛事情。
いろいろあったけど、三年間の出向期間が終了して地元に帰る日が近づいてきました。
お世話になった人、友人、業務を終えて地元に変える旨のメッセージを送りながら、ふとB君にも最後のメールをと考えたのです。
そもそも、メールを介して知り合った仲なんだから最後もメールで本当のグッバイなんて粋な思い出じゃん…なんてひとりほくそ笑んでいたあたし。

「これまでありがとう!出向業務が終わって地元に帰ることになりました。ここはきっと戻ってくることはない場所だろうと思う。でもずっと忘れない素敵な思い出をくれたこの街とあなたに感謝しています。本当にありがとう!幸せになってください」

本当はね、B君からの返信は望んでいなかったし、むしろ送りっぱなしのメールであった方が後腐れ無いなと思ってた。でもお返事が来てしまったのだ。
「引越し日の前日に会わないか?ただ、この町は小さすぎて2人でどこかのお店で会うっていうのは、彼女に知られたらヤバイから、申し訳ないけど君のアパートで会いたい」

変なことになりはしないかとちょっと心配だったけれど、雪国生活三年の幕引き、最後の日はB君と…そう思いましたよ。
そして引っ越し前日、ガランとした部屋の中で最後の最後にB君と会うことにほんの少しときめきながら約束の時間を待っていたんです。
すると……
「ごめん。急な出張で、いま東京。本当にごめん。今日は会えなくなった。地元に戻っても頑張れよ!」
って着メール。
なんだそれ……?
縁がない人って、とことん縁がないんだと思います。

元カレとのよりを戻す方法とか、いろんな恋愛情報はたしかに多く目に触れます。

でも、体験的に思うのはヨリを戻したからって恋愛感情が機械的にリセットするものじゃないんですよね。むしろ、同じ相手でありながら違う人物とつきあっているかのように相手と接する視点が変化するんじゃないかなと思うのです。
素敵な体験はステキなまま残しておくこともひとつの方法だろうし、未練を解消するためによりを戻すことは互いに良いことではないなと学んだ、あたしの恋愛体験でした。
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